飼いにくい犬のランキングTOP10

体力や運動量、しつけの難易度、被毛や気候への適応などを総合すると、飼い主の負担が比較的大きいとされる犬種があります。ここでは、その理由を「運動量」「自立性」「環境適応」の3軸と呼び、日常の工夫も交えながら、検討の目安になる情報をまとめます。個体差は大きいため、事前準備と継続的なケアを前提に読み進めてください。

第1位アラスカン・マラミュート

寒地で鍛えられたパワフルな相棒です

終わりのない運動要求と厚い被毛の手入れが要です

そり犬として培われた体力は桁違いで、長距離の運動を継続しても満足しにくいほどのエネルギーを持ちます。二重構造の被毛は大量に抜けるため、換毛期は特にこまめなブラッシングが欠かせません。運動不足や退屈が続くと遠吠えや破壊的な行動に発展しやすく、暑さへの配慮も重要です。

飼い主に求められる環境と時間の確保です

広いスペースや、引き運動やノーズワークなど多様な発散メニューを用意できる生活が前提になります。日々のタスクを変化させ、頭と体の両方を使うと落ち着きやすくなります。

第2位ボーダー・コリー

知能とスタミナが際立つ牧羊犬のエリートです

1日中でも動ける作業意欲を備えます

課題を解くこと自体を喜ぶ傾向があり、単調な散歩だけでは満たされません。アジリティやディスク、におい探しなどの知的な刺激を組み合わせ、達成の瞬間を頻繁に作ると良い状態を保ちやすいです。刺激が不足すると吠え続けたり家具をかじったりといった問題が出やすくなります。

しつけ上級者向けのパートナーです

日替わりで課題を変える、成功の基準を明確に示す、休息の合図を教えるなど、細やかな設計が欠かせません。集中のスイッチを入れ、切るまでを1セットとして覚えさせると家庭生活に馴染みやすくなります。

ボーダー・コリー

第3位アフガン・ハウンド

優雅なコートと独立心を併せ持つサイトハウンドです

被毛管理と根気強いトレーニングが必須です

絹のように長い被毛は毎日のブラッシングと定期的なシャンプーが推奨されます。判断を自分で行う傾向があり、命令一辺倒では動きにくい場面があります。自由運動の前提は安全な広場の確保で、走行スピードに対応した環境整備が欠かせません。

経験豊富な飼い主向きです

外見の美しさを保つケアに加え、遊びやごほうびを軸にした動機づけが効果的です。視線や距離のコントロールを活用し、無理なくコミュニケーションを積み重ねると関係が安定します。

第4位シベリアン・ハスキー

そり犬譲りのスタミナと社交性を持ちます

大量の抜け毛と暑さ対策が課題です

フレンドリーで人好きですが、満たされない運動欲求が遠吠えや脱走につながることがあります。被毛は年数回の換毛期に大量に抜けるため、室内では空調管理とこまめな掃除が必要です。特に暑熱環境では時間帯や場所を選んだ運動と冷却手段の準備が重要です。

多彩な運動メニューで満足度を高めます

自転車ジョギングやプラー遊び、引き運動に嗅覚ゲームを組み合わせ、達成の手応えを与えると良い状態を保ちやすいです。留守番が長い日は知育トイを活用し、退屈の蓄積を避けます。

シベリアンハスキー

第5位チャウ・チャウ

クマのような外見と独特の気質を持ちます

警戒心の強さと被毛トラブルに注意が必要です

紫色の舌と密集した被毛が特徴で、社会化が不十分だと他者への警戒が高まりやすいと指摘されます。暑さと湿気に弱いため、皮膚トラブルの予防と室温管理を丁寧に行うことが大切です。

ていねいな社会化と毎日の被毛ケアが要です

人や物音に良い印象を積み重ねる練習を早期から始め、短時間でも毎日のブラッシングで通気性を確保します。季節に応じた冷却マットや除湿の活用が快適さを支えます。

チャウチャウ

第6位ティベタン・マスティフ

巨大な体と強い防衛本能を備えた山岳番犬です

制御に高度な知識と環境が必要です

体格と声量は圧倒的で、防衛本能が非常に強い個体もいます。適切な指導がないと来客や他犬への警戒が過度になる恐れがあるため、専門家のサポートを早期から受けると安心です。

広い敷地と気候への配慮が欠かせません

高温多湿な環境は不利になりやすいため、冷房や日陰の確保、水遊びなどの冷却手段を整えます。長時間の散歩に加え、荷運びなど役割のある作業を取り入れると満足度が上がります。

第7位ウィペット

短距離走のスプリンターです

脱走リスクとスピード管理がテーマです

走る本能が強く、興奮すると一気に加速します。呼び戻しの合図を練習し、高さのあるフェンスやダブルゲートを用意するとリスクを下げられます。ダッシュ運動の後は室内で静かに過ごすことが多く、運動の質とタイミングの設計が生活の質を左右します。

ウィペット

第8位ワイマラナー

鋭い狩猟本能と知性を備えたグレーのアスリートです

運動不足でストレスが表面化しやすいです

広いフィールドでの長時間運動を前提に作出された歴史を持ちます。指示が曖昧だと自己判断が増え、いたずらや脱走のリスクが高まるため、ルールは短く一貫して示します。水泳や回収ゲーム、匂い探しを組み合わせると満足しやすくなります。

ワイマラナー

第9位バセンジー

古代犬の血を引く自立心旺盛なハンターです

指示への反応が薄めで、逃走のリスクにも配慮します

一般的なしつけ手法に反応が薄い場面があり、ごほうび重視の手法が向きます。好奇心が強く、興味が勝つとフェンスを越えることもあるため、環境面の工夫と屋外での安全管理が欠かせません。頭を使うパズルおもちゃは退屈の予防に役立ちます。

第10位ドーベルマン

警備犬として磨かれた俊敏さと忠誠心を持ちます

高い防衛本能と体力をコントロールします

筋肉質で瞬発力に優れ、警戒心が強い個体もいます。計画的な社会化と、短い合図でタスクを切り替える練習を重ねると安定します。毎日のジョギングや服従訓練でエネルギーを発散し、人や犬と接する機会を意図的に用意するとバランスが取りやすいです。

ドーベルマン

犬種名だけに頼らない視点を持ちましょう

家庭の暮らし方と「負担の3軸」の相性を見ることが重要です

運動量、自立性、環境適応を現実の生活に当てはめます

平日の散歩時間、留守番の長さ、住まいの広さ、気候、近所の騒音など、日常の条件を先に言語化すると選びやすくなります。たとえば暑い地域なら、被毛が厚い犬種には冷房と日陰、水分補給の計画が必須です。独立心が強い犬種なら、成功体験を細かく積むトレーニングを設計すると関係が安定します。

個体差への配慮が前提です

同じ犬種でも性格や体力は大きく異なります。見学やお試し散歩、保護団体の面談、ブリーダーとの対話を丁寧に行い、暮らし方と犬の個性の重なり具合を確かめてから迎えると、双方にとって幸せなスタートになりやすいです。

参考文献と信頼できる情報源

Royal Veterinary College VetCompass Summer heatstroke warning for dogs.

暑熱環境での犬の熱関連疾患リスクと予防策を示した大学の調査記事で、時間帯や犬種特性への配慮の重要性を解説しています。

MSD Veterinary Manual Heatstroke in Dogs.

獣医医療の基礎情報として、熱中症の症状、応急対応、予防の要点を体系的にまとめています。

American Veterinary Society of Animal Behavior Position Statements.

人道的なトレーニングや社会化に関する獣医行動学会の見解で、報酬ベースの学習設計が推奨されます。

American Kennel Club Dog Breeds Index.

各犬種の歴史、運動量、グルーミングの目安など、基本的な特性を調べる際の出発点として有用です。

第1位 アラスカン・マラミュート