

温和な巨人、信頼の守護者。
ニューファンドランド
ニューファンドランドとは、体と暮らしの基礎
身体的特徴、日常で感じる存在感
骨格と被毛の個性、力強さとやさしさの同居
ニューファンドランドは大型犬の中でもとりわけ大柄な体格を持ち、雄は体高が70センチを超える例もあり、体重は50〜70キロ前後、雌でもやや小柄ながら相当な重量感を感じさせます。肩幅が広く胸深な骨格が力強さを物語り、背中も強靱で水難救助に適した筋肉が全身に備わっています。頭部は大きく、マズルはやや短く幅広な印象で、耳は中くらいのサイズで垂れ、顔全体から大きいサイズらしい落ち着いた表情を漂わせます。脚や腰に強い筋肉が集まり、寒冷な気候や水中作業を想定したタフな構造といえます。歩く姿は重厚ながらもゆったりと安定したリズムがあり、その堂々としたフォルムには独特の風格があります。
被毛は密度の高いダブルコートで、オイル分を含んだ撥水性が高い外毛と、保温力に優れるアンダーコートが組み合わさっています。色はブラックが最も多いですが、ブラウンやホワイト&ブラックなどのバリエーションも知られています。長さがあるため換毛期には大量の毛が抜け、室内飼いでは日々の掃除が不可欠です。週2〜3回のブラッシングで古い毛を除去すると同時に、毛玉や皮膚病予防に役立ちます。水辺での作業に向いた被毛ゆえに水を弾く力が強く、洗うときはシャンプーを泡立てやすいように根気よく濡らす必要があるでしょう。入浴後は乾燥に時間がかかるので、丁寧にタオルドライとドライヤーを使い分け、皮膚の蒸れを防ぐのが大切です。
気質と社会性、家庭で生きる穏やかさ
温和で頼もしさを感じさせる性格、共に暮らす安心
体格の大きさが示すように力は非常に強い一方で、落ち着いた穏やかな気質を持つといわれます。水辺救助犬としてのルーツが示すように人に寄り添い、困っている仲間を守る献身的な面も見られます。家庭においても落ち着いた雰囲気を好み、飼い主とゆっくり過ごす時間を大切にする個体が多いです。基本的には攻撃性が低く家族へ柔和に接するので、お子さんや他の動物がいても相性よくやっていける場面が多いとされます。来客や他の犬に対してもフレンドリーな印象を与えますが、大きい身体をもて余すときに家の中で動き回ってしまうと物を倒すなどのトラブルが起こりやすい点には留意が要ります。
興奮やストレスが続くと吠えやすくなるケースもあるため、飼い主は静かに声を掛けて落ち着かせる方法をあらかじめ学習しておくと便利です。怖がらせようとする相手や乱暴な行為には敏感に反応し得るため、適切な社会化と幼い頃からのしつけがあれば、基本的に他者との軋轢が少ないパートナーとなりやすいといえます。ジャパンケネルクラブは、この犬の表情を慈悲深く穏和と紹介しており、威厳とやさしさの両立が魅力だと伝えています。
起源、海と人をつなぐ歴史
歴史的背景と用途、寒海で育まれた役割
カナダのニューファンドランド島、漁の現場が原点
ニューファンドランド島はカナダ東岸で寒冷な気候と漁業が盛んな地域です。この犬は漁師たちの働き手として舟から落ちた人や道具を回収する水難救助作業を長く担ってきたとされます。大型犬種ながら体脂肪とオイル分のある被毛が寒い海でも体温を保ち、強い四肢で泳ぎを得意としていた点が愛される理由となりました。歴史的には他の大型ワーキング犬種との交配も加わり、さらに筋肉質で力強い体型が強化され、陸上作業もこなせる懐の深い犬種に発展しました。
19世紀に欧米に渡り、イギリスや北米でショーや作業犬として認知度が高まりました。20世紀初頭には世界各地に輸出され、世界的に見ても大型犬として高い人気を博するように。特に救助活動やセラピー犬としてのエピソードが広く報じられたことで、その優しさと献身性が国際的に知れ渡ることになりました。現在でも寒冷地での作業犬や家庭犬として多様な形で飼育されており、その巨体と穏やかな気性が独自の魅力となっています。
性格、内面の強さと包容力
行動特性と内面要素、日常で見えるサイン
人懐こさと保護本能、信頼に応える動き
救助犬として訓練されてきた歴史から、人間に対し協力的かつ親愛の情を示しやすいといわれます。落ち着いた環境で過ごす場合、家庭の一員として静かに寄り添う態度を取りやすく、子供や他の動物に対しても包容力ある姿勢を見せる個体が多いです。大型ながら無闇な威嚇や吠えは少なく、むしろ何か異常を察知すると注意を促すような仕草を見せることがあります。攻撃性が低いとはいえ体格が圧倒的なため、不用意に驚かせたり挑発したりすると反射的に大きな動作で応じる可能性もあるので注意は要ります。
家族を守ろうとする気持ちが強く、特に子供がプールや海辺で遊んでいると心配して勝手に救助行動を取る例も報告されています。川や湖の近くで連れ出す際は犬が想定外の行動をしないようリードを活用して指示をしやすくするのが無難です。とはいえ飼い主とのコミュニケーション次第では柔軟に制御が可能で、指示に対する理解力も高いので日常生活では頼れる存在になりやすいです。
飼うときの注意点、環境と体調管理
環境・運動・しつけ、無理のない設計
広いスペースと適度な運動量、暑さ対策を前提に
巨体があるため狭い部屋では動きづらく、物を倒したりぶつけたりしてケガや破損を誘発しやすいリスクがあります。大型犬を受け入れられる広めの住居や庭付きの環境が理想ですが、室内飼いであっても通路やリビングに十分な歩行スペースを確保する工夫をすれば落ち着いて過ごせるといえます。運動量は1日2回の散歩で各20〜30分ほどが目安ですが、寒い季節にはやや距離を増やしても苦にしないケースが多いです。
夏の暑さに弱く、大柄な身体が熱を溜め込みやすい分、熱中症予防が重要です。散歩の時間帯を朝夕の涼しい時間にずらし、日陰ルートを選ぶなど配慮すると安全性を高められます。水遊びが好きな個体が多いので、プールや川で泳がせる機会を与えるとストレス解消に効果的です。
しつけにおけるリーダーシップ、基本コマンドの徹底
飼い主を助けるために行動する傾向が強いとはいえ、成犬時の体重が50キロを超えることがあるため、しつけが不十分だと安全面で不安が生じます。呼び戻しや待て、リードウォークの基本コマンドを子犬の段階で根気強く教えると、大型ゆえの制御困難を防止できます。飼い主が大きな声で叱りつけたり乱暴に扱ったりするのは逆効果で、信頼関係が損なわれる原因になるため、ポジティブ強化で成功時をきちんと褒めるアプローチが望まれます。
家に来客があった時や他の犬と接触するシーンでは、巨体を活かしてごく自然に相手を警戒させてしまう可能性があるため、飼い主が「大丈夫」「おいで」などの合図で即座に制御できるよう準備しておくと安心です。幼少期から多様な人や環境に接する社会化を実践すれば、穏やかでフレンドリーな態度を持続しやすいと考えられています。
生活習慣と健康、日々の観察を積み重ねる
食事コントロールとボディチェック、関節と体重の管理
大柄な犬種は関節への負担が大きく、また肥満になりやすい傾向もあるため適正体重をキープすることが重要です。子犬の頃から無制限に与えるとあっという間に体重が増加し、関節や成長板にトラブルを抱える危険性が高まります。高品質の大型犬向けフードを適量与え、運動量と摂取カロリーのバランスを常に意識するのが望ましいです。
体表積が大きいぶん軽度の病変でも見逃しやすく、日常的に触れながらしこりや痛みがないか確かめたり、皮膚の発疹や脱毛箇所をチェックするのが勧められます。耳や口周り、足裏の毛が汚れていないか、爪は割れていないかなどを観察し、小さな異常を早期に発見する姿勢が健康寿命を延ばすポイントといえます。
かかりやすい病気、予防と早期対応
代表的な疾患と対処、リスクを知る意味
股関節形成不全や胃捻転、体格由来の注意点
サイズの大きい犬種として、股関節形成不全や肘関節の異常が発生しやすいという指摘があります。幼犬期の急激な体重増加を避け、フローリングには滑り止め対策を行い、階段の昇降を控えるなど早期の予防が効果的です。すでに症状が出ている場合はレントゲン撮影で正確な状態を把握し、サプリや投薬、理学療法で進行を抑えられる可能性があります。極端な過度の運動を長時間続けることは避け、適度な運動をこまめに行う方式が理想的です。
また胸が深い体格から胃捻転のリスクも存在し、食後の激しい運動や多量の水分摂取には注意が必要です。食事を1日2〜3回に分けるなど胃に負担をかけにくい与え方をして、少なくとも食後30分〜1時間は安静にさせると捻転の発生率を低下させられると考えられます。
皮膚炎や心臓病、季節と年齢への配慮
被毛が厚く皮膚が蒸れやすい傾向があり、皮膚炎やホットスポットと呼ばれる急性湿疹が見られるケースがあります。日々のブラッシングとシャンプー後の十分な乾燥、夏場はクーリングを心掛けるなど予防に努めることが大切です。万が一赤みや強い痒みを確認したら専門家の診察を受け、必要に応じ薬用シャンプーや塗り薬を用いると早期改善につながりやすいです。
大型犬全般で多いとされる心臓疾患はニューファンドランドにも潜在的に発生リスクがあるとされています。飼い主が定期的な獣医の健康診断を受け、心音や血液検査をチェックすれば早期発見と対応が望めます。肥満や運動不足が心臓への負担を増すので、体重管理と適度な運動を続けることが欠かせません。
良いところと悪いところ、実感に基づく評価
利点、家庭で光る安心感
温厚な性格と家族への愛情深さ、穏やかな時間の相棒
クマのような巨体とは裏腹に物静かで優しい性格が広く評価されています。家族を守りたい気持ちが強く、真価を発揮する場面として水辺での緊急時や事故が起きたときに助けに入るなどのエピソードが多く報じられてきました。子供や他の動物に対しても耐性が高く、家庭内の調和を乱さず安心感を与えてくれます。飼い主と同じ空間でのんびり過ごす時間に幸せを感じる個体が多く、しつけ次第ではマンション住まいでも落ち着いて暮らせる例があります。
堂々とした外見、頼もしさが伝わる存在感
アピール度の高い大型犬で、いざという場面での存在感は抜群です。実際に番犬能力は控えめですが、その姿だけでも第三者から見ると近づきがたいインパクトがあると言われます。頼もしさの演出と穏やかな性格のギャップが愛される要素となり、ショードッグやセラピードッグとしても活躍できる背景があります。飼い主と共に歩くと視線を集めやすく、人とのコミュニケーションのきっかけにもなるでしょう。
注意点、維持とケアに要る覚悟
飼育コストとスペース、時間と費用の計画性
体格の大きさに見合ったフードや獣医費用など金銭的負担が他犬種より増える傾向があります。餌代や病院費、トリミング費を含めるとかなりの出費になる可能性があり、計画的な家計管理が必要です。日常的な居住スペースも広めに取りたいところで、狭い環境で暮らすと動くたびに家財を壊したり、不適切な場所で寝そべることもあります。大型犬対応の住宅や庭、敷地が確保できるかどうかが飼育可否の大きな鍵を握るといえます。
被毛の手入れと抜け毛対策、季節で変わる負荷
ダブルコートがもたらす抜け毛の多さは想像以上で、換毛期には巨大な毛束が室内に散らばるとされます。マメに掃除機をかけても追いつかないケースがあり、ブラッシングを週2〜3回は必ず実施し、抜け毛を室内に落とす前に取り除くのが望ましいです。シャンプー時も毛量に加え体の大きさのため手間と時間がかかり、乾燥作業にも注意を要します。毎月のケアだけでなく換毛期は特に集中して取り組まないと毛玉や皮膚病を誘発する恐れもあるため飼い主の労力は大きめです。
トリミングについて、日々の手順と工夫
日常ケア手順、清潔と快適のバランス
ブラッシング・シャンプー・乾燥、基本を丁寧に
基本的には被毛を短くカットする必要はありませんが、あまりに厚い毛量を少しすく程度のトリミングを施す飼い主もいます。日頃は週数回のブラッシングで古い毛を取り、毛玉の元を取り除くのがポイントです。月1回程度のシャンプーではオイル分の多い被毛をしっかり泡立て、十分にすすぎ、水分が残らないように丁寧に乾かします。適宜コンディショナーを使うと毛触りや艶が維持され、皮膚の保護にも繋がります。
体が大きいので入浴施設の確保が課題ですが、庭や大型バスタブを用意できれば自宅でのシャンプーが可能です。高齢化すると関節が弱まり洗浄時に動きにくくなるため、飼い主がサポートしながら行うと安心です。タオルドライでは大判タオルを複数枚使い、ドライヤーもパワフルな物で時間を短縮する配慮が大事といえます。
サロン利用と部分ケア、プロの手で負担を軽く
自宅でのケアが難しい場合や換毛期に集中して被毛を整えたい時にはプロのトリミングサロンを活用すると便利です。肛門腺処理や爪切りなど家庭での対応が難しい部分を一度に済ませることができ、大型犬への対処に慣れたスタッフに任せられます。サロンでは全身のコーミングやデスコートの徹底が期待でき、飼い主自身が感じる抜け毛やにおいなどの負担を軽減します。
トリミング嫌いを防ぐコツ、短時間で好印象に
短時間から始めて褒める、成功体験の積み上げ
大型犬が大きく暴れると飼い主でも制御が困難になるため、子犬のうちからほんの数分のブラッシングに慣れさせ、成功時は必ず褒めたりおやつを与える手法が有効です。慣れたら少しずつ時間や作業内容を増やし、耳掃除や爪切りも犬が恐怖感を抱かないように進めます。無理やり押さえつけて完了させる方法では不信感を強めかねず、次回以降のトリミングに協力的でなくなることがあります。飼い主が落ち着いて穏やかな声をかけながら進めると犬も安心して従いやすいです。
シャンプー時も同様で、最初はシャワー音や振動に慣らすだけ、身体に少量の水をかけてすぐ終える形からスタートし、少しずつ回数と時間を伸ばすと犬が驚きや不安を最小限にとどめつつ慣れてくれます。トリミング時においしいおやつを使うなどポジティブ体験を連動させるとより効果的です。
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